ジョン・スミスのまともな投資日記

「普通の人」ジョン・スミスが、「そこそこ儲ける」ための方法を試行錯誤する日記です。

【優待クロス】スミスの「まともな優待クロス取引」入門ガイド

 スミスは、たとえノーリスクだったとしても「小遣い稼ぎ」はしない、と明言しております。例えば、ポイントサイトでアンケートに答えたら10円、など。なぜなら、そうした小遣い稼ぎは、自分の時間を安く売り渡す行為だからです。

 スミスの場合、大体の目安ですが、1000円以上利益が出るものは、「小遣い稼ぎ以上」と見做すことにしています。現実的にはそれにかかる時間を算出して時給換算すればいいのかもしれませんが、それはかえって時間の無駄遣いなので、概算で1件1000円以上と計算しています。

 スミスは「株主優待クロス取引」は使い方によっては1000円以上の利益、つまり小遣い稼ぎ以上になると見なしていますので、自分でも実践しています。今回はその「株主優待クロス取引」のお話。

 

 

1.株主優待クロス取引とは?

 さて、「株主優待クロス取引」というものをご存知でしょうか。

 まず株主優待とは、年に1~2回程度ある「権利日」に株式を保有していると、その企業からもらえる品物やサービスのことです(すべての上場企業が実施しているわけではありません)。例えば、「ビックカメラ」でしたら買い物券が、「小田急電鉄」なら優待乗車証が、大和証券ならIPOのチャンス当選の確率を上げてくれるポイントがもらえます。

 続いて「クロス取引」とは、ある銘柄の注文において、同一銘柄、同数量の買い注文と売り注文を同時に発注し、約定させる取引をいいます。例えばビックカメラの株式を9:00に1500円で100株買い1500円で100株売る、といった取引です(※クロス取引を行うためには、空売りから始められる、つまり信用取引ができる必要があります)。
 もし100株売って100株買っていれば、株価が100円上がった場合、買った株(買い玉)は1万円の利益、売った株(売り玉)は1万円の損失になりますので、差し引き0円の利益になります。クロス取引を行うと、株価が変動しても利益も損失も出なくなります。ふつう、株価が変動しても利益が出ないのであれば、手数料がかかる分だけ損が出ますので、クロス取引に意味はありません(なお、クロス取引を利用して出来高を不正に多く見せかけようなどとする行為は違法です)。

 この二つを組み合わせた時、何が起こるのでしょうか。ポイントは、配当金(相当額)は買い玉に足され、売り玉からは引かれるけれども、株主優待は、買い玉に与えられ、売り玉には何もない、という点にあります。これを利用して、株価の変動のリスクを避け、株主優待だけをもらってしまうというのが、「株主優待クロス取引」になります。

 

2.株主優待クロス取引の例

 一例を示します。亀田製菓の場合、2018年9月の株主優待の権利日は9/30です。株は取引の3営業日後に受け渡しがされるという慣行がありますので、実際には9/25に株式を保有していた人が優待をもらえます。
 最も一般的な方法では、9/25の9:00までに、100株の現物買いと100株の信用売りの注文を、同じ証券会社から発注しておきます。すると9:00に注文の約定が行われ、初値(例えば5300円だったとします)で取引が行われます。

 9/25の取引終了時、あなたは亀田製菓の株を100株保有し、100株を空売りしているという状態です。亀田製菓はこの9/25の取引終了時に株式を保有している人に対して、株主優待商品を送ります。例年1000円相当の自社製品です。これまでのところ亀田製菓は9月に配当金を出していませんので、配当金の話は無視します。

 さて、取引が終了して証券会社の処理が終わると、もうあなたは亀田製菓の株を保有している必要はありません。9/25の夕方から9/26朝までの間に「現渡し」という作業を行います。現渡しとは信用売りの返済を、自分が持っている現物株で行うというものです(空売りは株をいわば借金して売った状態ですので、普通はどこかのタイミングで株式市場から買い戻してきて返済します)。現渡しはネット上で簡単に行えます。これで優待クロス取引は完了です。

 その後、大抵は2~3か月後に株主総会の案内などと一緒に株主優待品が送られてきますので、到着までしばらく待ちましょう。

 概略は1.と2.で紹介しましたが、説明しきれていない部分もあります。楽天証券などでは優待クロスの説明をしてくれていますので、そちらも参考にしてください。

www.rakuten-sec.co.jp

 

3.株主優待取引のメリット・デメリット

 こうした株主優待取引ですが、メリットとデメリットがあります。

メリット 株価変動の影響なしに株主優待がもらえる

 株主優待クロス取引のメリットは、この一点です。ふつう、優待や配当が決まる権利日をまたぐと、株価は下落します。にもかかわらず、株価の変動というリスクを取ることなく株主優待を獲得できる点に、株主優待クロス取引のメリットがあります。

デメリット①手数料がかかる

 株主優待クロス取引は、株式の取引を伴いますから、必然的に手数料がかかります。現渡しにはふつう手数料はかかりませんが、最初の「現物買い」と「信用売り」には、それぞれ所定の手数料が必要です。また、信用売りには貸株料という手数料(売り玉合計100万円でも、2日間ならだいたい100円程度です。証券会社によって違います)が必要です。

デメリット②逆日歩の危険性がある

 信用売りは「空売り」ということを行っています。誰かから株を借りてきて売るわけです。しかし、この株は誰が貸してくれるのでしょうか?――誰かが、金を受け取って貸してくれてます。いわば株のレンタル料にあたるこの費用が「逆日歩」です。逆日歩が発生した場合、空売りした人は証券会社を通して逆日歩を貸株主に支払わなければなりません。空売りする人が多いと、この逆日歩の費用が非常に大きくなる可能性があります。場合によっては、牛丼1杯のために3000円の逆日歩がかかるといった羽目に陥る可能性もあります。
 なお、一般信用売りといって、証券会社によっては、証券会社が確保している株を借りてきて空売りすることもできます。この場合、逆日歩は発生しません。といっても証券会社が確保している株数には限度がありますから、人気銘柄ではとても激しい争奪戦が繰り広げられることが多いです。一般信用売りの取り扱いが多いカブドットコム証券の場合、申し込み多数だと前日に抽選が行われますが、倍率数十倍などになることもあります。スミスは基本的には利用していません。

デメリット③資金と時間がかかる

 クロス取引には、現物買いできるだけの資金と、信用売りするのに必要な証拠金が必要です。信用売りの証拠金は最低30万円で、多くの証券会社では約3.3倍まで信用売りが可能です。だいたいの場合は、現物株取得価格×約1.3倍か、現物株取得価格+30万円のどちらか高い方の金額が必要です。
 当然ですが、逆日歩の予測、(するならば)一般信用売りの在庫調査、当日の売買などで時間もかかります。手数料を差し引いたら100円の利益だった、などでは割に合いません。

 

4.スミスの視点

 以上を踏まえて、スミス自身が心がけていることを紹介します。

手数料を安くする。特に、SMBC日興証券を活用する

 まずはコストを減らします。SMBC日興証券は信用取引の手数料が無料です。現物買いも、信用買い→現引きという作業をすれば、手数料無料で取引ができます(金利等はかかります)。株主優待の価値は500~数千円程度ですから手数料の安さは極めて重要です。SMBC日興証券を利用しない手はありません。

 ただし(現物買いと信用売りでのクロス取引にも言えることですが)信用売りと信用買いを同時に発注することで「仮装取引」と見做される可能性はゼロではありません。スミスの場合は、これまで特に問題ありませんでしたが、一応そういう可能性があることは心にとめておいてください。

一般信用売りは使い方次第

 スミスは基本的に一般信用売りは利用しないといいましたが、使っているものもあります。ごくまれに、スミスが欲しくて、逆日歩が発生しやすいのに一般信用売りがいつも余っている銘柄が存在します。権利日が集中しやすい3月と9月に多く見られます。そういう場合には一般信用売りも活用しています。
 ただ、人気化しやすい銘柄の一般信用売りは、返済期限ぎりぎり(例えばカブドットコム証券ではおおむね14日前)から申し込まないと在庫を確保できません。信用売りで売り玉を長く保有していると手数料がどんどんかさんでいきます。ですので、「数日前に残っていたらラッキー」くらいの気持ちで臨んだ方が、精神衛生上もよろしいかと思います。

優待実施銘柄が少ない月は避ける

 1・4・5・7・11月に権利日を設定している企業は少ないので、必然的に実施している銘柄に人気が集まりやすいです。人気化すると逆日歩の危険性は増します。逆に、3・9月が権利日である企業は多いので、1銘柄あたりの参加者が少なくなりやすいです。

人気銘柄には手を出さない

  人気銘柄は逆日歩が発生しやすく、また一般信用売りの在庫もすぐになくなってしまうことが多いです。スミスの経験的には、有名チェーンの飲食券または買い物券、そして金券類といった、「誰でも使いやすい」優待を実施している銘柄で顕著なように思われます。スミスはこういう銘柄は手を出さないようにしています。

小型銘柄には手を出さない

  規模が小さい銘柄では、貸株をしてくれる人が限られることから、逆日歩の値段が高くなりやすいです。ですので、ちょっとしたことで高額の逆日歩が発生する可能性が高まります。
 大和証券などは例年数百万単位の株不足が発生していますが、逆日歩はほとんどの場合で100株3日で15円くらいで済んでいます。一方、2017年9月のETSホールディングスの権利付き日には、1.4万株の株不足で100株3日で3360円もの逆日歩がつきました。大和証券(東証一部)がETSホールディングス(ジャスダック)と比べて非常に規模の大きいからと考えられます。

高利回りには手を出さない

  高利回りの銘柄はみんなが狙うので、逆日歩が発生しやすいです。雑誌の特集などでも紹介されることが多く、人気化しやすいです。最近は株主優待クロス取引もかなり有名になってきましたので、初心者はそういう情報に飛びつきやすいと考えられます。こういった銘柄には手出し無用です。

 

5.スミスのスタンス

 まとめると、人気度(逆日歩の危険性)と利回りを天秤にかけるということが重要です。逆日歩は本当に恐ろしいので、スミスは例年それほど人気化しない銘柄の中から、利回りがそこそこいいものを確保しています。100万円ほどあれば、数千円程度の利益を上げることは可能です。それならそこそこ「割に合う」と思っています。

 

今回はこれくらいで。それでは、また。
                               J. S.